# by lootone | 2013-06-14 10:26 | ・ある出来事と言葉 | Trackback
「ごんごろどん」という作品が後味悪い。
作者は覚えていないけど、こんな感じ。
ごんごろどんは鬼だけど、心が優しく力持ち。
山の動物たちの人気者だった。
しかしふもとを通りかかった目が見えない村の娘を助けてあげたところ、心優しく美しいその娘に惚れてしまう。
そしてごんごろどんは彼女と結婚したいとまで考えるようになり、その娘の為に山を下り、村の為に力を尽くした。
しかしその娘は村の長者の娘。
長者とて娘を鬼にやるわけにはいかない。
なにより鬼を恐れていた。
そこで長者は娘が町に目の治療を受けに数日間家を空けた隙を見計らい、ごんごろどんを家に招き、こう告げる。
「娘を差し上げても良いが、私たちは人間だ。まず君の角を切り取ってくれないか」
ごんごろどんは悩むものの、彼女のためならばと思い立ち、血だらけになり角を切る。
しかし長者の要求はさらにエスカレートしていく。
「その長く鋭い爪は人間にないものだ。引っこ抜いてくれ」
「私の娘は目が見えない。君の目も潰してくれないか」
普通なら疑うところだが、山の動物たちとずっと暮らしていたごんごろどんは、人を疑うことを知らなかった。
『彼女のため。』その言葉を信じ、ついには全ての爪を剥ぎ、目を潰してしまった。
これで人間と変わらない。
ごんごろどんは傷だらけの身体を引きずりつつ、長者の家へ向かった。
しかし長者の家に入った瞬間、身体から更なる痛みが…
ごんごろどんは、長者が集めた村の衆から串刺しにされてしまったのだ。
ごんごろどんは何が起こったかも目が潰れていたためにわからず、力尽きる。
そして目の治療を終えた娘が、ちょうどその場に帰ってきた。
長者は娘に経緯を説明し、
「人と鬼とでは相容れない」
と説く。
しかし目が見えない自分に対して、ここまで優しくしてくれた人はいない。
娘はその場にいる人たちに、こう叫んだ。
「鬼は彼ではない。あなたたちだ!」
と。
そして娘は一生結婚することなく、ごんごろどんの墓を守り続けたというお話。
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