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隣で踊る女の子

(ネットからの抜粋)



この春から娘の通う幼稚園に保育園が併設された。

年長児は花祭りの行事に着物を着る。

男の子がお釈迦様の像に甘茶を掛けて、女の子が踊る。
 
 

娘の姿をカメラにおさめていると、隣で踊る女の子も目に入った。

踊りが誰よりも上手。

指の先までぴんと伸びてとても綺麗。

踊り終わった後座って待つ姿も、背筋がすっと伸びて、子供と思えないほどきちんとしていた。



見たことのない子なので、保育園の子だとすぐわかった。

今まで違う幼稚園か保育園に通っていたにしろ、新しい園に入園して数日の姿とは思えないくらいだった。



行事が終わり、子供の着替えを手伝うため控え室に向かう途中、先ほどの女の子を見かけた。

自然と声をかけていた。

「こんにちは。踊り、とても素敵だったよ。すごく上手だった!!」

いつも娘の友達に挨拶する時の様な、軽い気持ちだった。

でも、その子の顔はみるみる歪んだ。

「ばーっか!!お前なんかに見せるために踊ったんじゃねーよ!!」

綺麗な顔からは想像出来ないくらい怖い声で言って、自分の髪飾りをもぎ取って髪型をぐしゃぐしゃに崩しだした。



先生が飛んできて、その子を保育園の保育室へ連れて行った。



私が浅はかだったなぁ。

幼稚園の子はみんなお母さんが見に来ていたけど、保育園の子の親はほとんど来ていない。

保育園が併設になるにあたって

「保育園の子はお母さんが(園に)いないから… と腫れ物に触る様にしないでください。

 保育園の子はうちはうち、よそはよそというのがよく分かってます。

 ごく自然に接して下さい。

 みんな違うけれど、それでいい、それがいいということを子ども達に感じて貰いたいので…」

って言われてたけど、それは大人の理論でしかなかったのかな。

あの子が褒めて欲しかったのは、自分のお母さんだけだったんだよね。

そうやって考えてその日はなかなか眠れなかった。



数日後、帰ってきた娘の鞄に封筒が入っていた。

あの子のお母さんからだった。

花祭りの日、子供を迎えに行って顔を見た途端、幼稚園のお母さんにひどいことを言ってしまったと泣いたこと。

何を言ったのかはなかなか自分に言えなかったこと。

保育園と幼稚園の先生からも詳しく聞いたこと。

あんなこと言ってしまったけど、本当は嬉しかった。

でも、保育園にいたときは、まわりがみんな同じだったから、お母さんが迎えに来るのを我慢できたけど、初めての行事で幼稚園の子のお母さんがいっぱいいて「なんで??なんでよっ!!」って思ってしまったこと。

そういうことと、謝罪の言葉が綺麗な字と、誠実そうな文章で綴ってあった。

あの子の踊る姿を思い出して、お母さんも想像出来る様な気がした。



私も私なりに一生懸命書いたお手紙を、娘に持たせた。

それと一緒に、行事の様子を録ったDVDも。

余計なお世話かな、逆に失礼かなと思ったけど、園で注文できるのは写真だけだし、私の娘の立ち位置が端だった関係で、あの子(っていつまでも書くのもアレなんで、A子ちゃんとします。)がついでっぽくではなくほぼ真ん中に映っていたので。

どきどきしたけど、またお手紙が届いた。

お礼の言葉と、A子ちゃんがとても喜んでいると書いてあった。

ほっとしたし、嬉しかった。



また何日かして、預かりにしていた娘を迎えに行ったら、A子ちゃんと会った。

「あっ」という顔をしてから 「おばちゃーん!!」と叫びながら突進してきた。

私の太ももにコアラみたいにぎゅっとしながら

「この前はごめんなさい!!

 悪い子だったのにDVDくれてありがとう!!

 A子、毎日寝る前にお母さんと見てるよ!!」

って言った。

「大事に見てくれて、こちらこそありがとう」

って言うと、ほっとしたのか、ちょっと泣いちゃったA子ちゃん。

それだけ気にしてたんだよね…

泣きやんで、へへへって笑ったA子ちゃんは滅茶苦茶可愛かった。


これだけ長いのにオチも何もなくてホントにチラシの裏なんだけどさ。

自分の子に限らず、子供って、いいなぁって思った。


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by lootone | 2012-11-26 09:10 | ・子育て