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なぜ君は絶望と闘えたのか?本村洋の3300日

光市母子殺害事件で妻と子供を失った本村洋さんが

一時の気の迷いから勤務先の新日鐵を退社しようと

思い立ち辞表を書いた時に上司は次のように述べたという。

『君はこの職場にいる限り私の部下だ。

そのあいだ、私は君を守ることができる。

裁判はいつかは終わる。

一生かかるわけじゃない。

その先をどうやって生きていくんだ。

君が辞めた瞬間から私は君を守れなくなる。

新日鐵という会社には君を置いておくだけのキャパシティはある。

勤務地も色々ある。

亡くなった奥さんも、ご両親も、君が仕事を続けながら裁判を
見守ってゆくことを望んでおられるじゃないのか。』

また、次のようにも述べた。

『この職場で働くのが嫌なら辞めてもよい。

君は特別な体験をした。

社会に対して訴えたいこともあるだろう。

でも、君は社会人として発言していってくれ。

労働も納税もしない人間が社会に訴えても、
それはただの負け犬の遠吠えだ。

君は社会人になりなさい』

【なぜ君は絶望と闘えたのか?本村洋の3300日 門田隆将著】

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本村洋 1976年、大阪府生まれ。
会社員。
福岡県の中学、高専を卒業後、広島大学工学部に編入学。
98年、同大学を卒業後、新日本製鐵株式会社に入社
(現在、新日鐵住金ステンレス株式会社へ転籍)。
99年4月、事件に遭遇。

by lootone | 2012-02-23 10:04 | ・ある出来事と言葉