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超越している昭和天皇

(ネットからの抜粋です↓)



出典は「天皇陛下と語る」細川隆元著。昭和天皇のお話です。

著者との対談で、昭和天皇に仕えた入江侍従長が語った話が
もろに「昭和天皇びいきの外国人」でとても面白かったので
ここに置いておきますね。

ちなみに昭和天皇の人となりは「超越している」というのが
入江侍従と著者との共通認識になっていました。

以下それを如実にあらわすエピソード。


「前の式部長官の人に聞くと、クーデターでその地位についた
というような人がくるでしょう。

もうすごいんですって。

威張って。

ところが、陛下に三十分ほどお目にかかって、帰るときには、
もうすごく穏やかな雰囲気になっている。」


「ローマ法王が去年こられましたでしょう。

で、陛下と三、四十分お話しして帰られた。

車が走り出したら直ぐ接伴員に

『きょう、陛下にお目にかかってはじめて日本人の心の美しさがわかった』

といったというんです。

ミッテラン大統領なんかでも、初めは硬直しているんですね。

それが終わり頃には、陛下をいたわるようにして大変でしたね。

非常に美しかったです」


「私も陛下のお供してバッキンガムへ泊まったんですよ。

イギリスは気位が高いですから、いかなる元首といえども二晩だけだ、
第三夜はホテルへいってくれ、という規則なんです。

だから、こちらも控えめに出て、『二晩泊めていただきましょう』と、
三晩目は何処のホテルが良いか、とやっていたら、クィーンが
『いや、日本の天皇陛下はどうか三晩ともお泊まりください』
と。だから三晩になったんですよ。

だから、ぼくも泊まっちゃったわけ・」




この本に書かれていたわけではないですが、百戦錬磨の外交官も
陛下に謁見となるとガチガチに緊張していた・・・
ということも少なくなかったそうです。

アメリカのフォード大統領は陛下にお会いしたとき足の震えが
止まらなかったとか。

陛下の隣でフォード大統領が左手と左足一緒に出して
歩いちゃってる写真が残ってますね。


この本を書いた細川さんは「時事放談」を作った政治評論家で毒舌家。

衆議員もこなしながら内閣の憲法調査会で仕事をしてきた人。

また、無位無冠な身で陛下に長時間謁見した初めての人で、
当時議論されていた

「国家元首なのか象徴天皇なのか」

「天皇の地位はどうすべきか」

を昭和天皇がどう感じているか尋ねようと思っていたらしいんだけど、
会談しているうちに、

「地位がどう変わろうと”天皇陛下としての本質”は何も変わっていない。

超越してる。

そこに陛下の存在価値があり、値打ちがあり、象徴天皇の真義は
その一点にあるのではないか」

と確信し、用意していた質問は一切取り上げなかったそうな。


最後はこの本に書かれていた、日本の象徴びいきの日本人の話。

「これは私が陛下の側近の一人から聞いた話だが、終戦直後、
天皇が全国をご巡幸になったときのことである。

三井の三池染料工場をお訪ねになったことがあった。

そこの労働組合長というのは左翼の筋金入りの人物であったそうだが、
陛下がその組合長に呼びかけられて、

『これは日本のために大事な産業ですから、あなたは組合長として
組合員を鞭撻して、少しでも多く生産が上がるようにしてください』

とおっしゃったということである。

するとみんなが各工場から出てきて、門まで百メートルほどの所を、
「ワッショ、ワッショ」と大きな声を上げて陛下をお送りしたそうだ。

その間、組合長は空っぽの工場にはいって、ふたつにおれて泣いていた
というはなしがある。

陛下の柔らかいお言葉が、ひしひしと身に感じたと見えて、
組合長はみんなに向かって、

「おれは引き受けた。

これからおれは一生懸命やるぞ」

と声高く叫んだという。


この工場では、その後生産が急カーブで上昇し、玄人筋がどうそろばんを
弾いても出てこないはずの生産が出来てしまったという。」
by lootone | 2012-05-17 11:38 | ・日本について